無我夢中で話す君と草原
毎年、雨の多い梅雨がなぜか好きだ。
部屋の中は湿度が上がり外出すると濡れてしまうけれど。
その訳は、小さいときに、この時期に見られる紫陽花が美しく、その頃からこの花を楽しみに待っている。
九州長崎の出島で知り合った、シーボルトとお瀧のアジサイ逢瀬をご存じだろうか。
オランダ人に紛れ込んで来日してきた、医師のシーボルトが、アジサイを見ながら「お瀧さんにそっくりな花だ」と言ったそうだ。
雨の日にけなげに咲くあじさいを目にして何度も、お瀧さん、お瀧さんと口走った。
そのうち変化して、紫陽花はオタクサと異名を持つようになったらしい。
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